週刊少年ジャンプ史上最も重要なマンガ20選

ハレンチ学園

🖌️
永井豪

黎明期レジェンド枠。サービスエロがジャンプマンガの大きな側面を担っていた事実は否定できないし、そもそもこの作品の売上が無かったらジャンプが存続してたかも怪しいので入れざるを得ない。

ハレンチ学園 第1巻 (キングシリーズ 小池書院漫画デラックス)
ハレンチ学園

男一匹ガキ大将

🖌️
本宮ひろ志

黎明期レジェンド枠2。ジャンプ黎明期の売り上げを支えつつ、不良系マンガを一大ジャンルとして確立させた意味で実は物凄く偉大な作品。これが無かったらろくブルも東リべも存在しない。

本宮ひろ志傑作選 男一匹ガキ大将 1 (集英社文庫(コミック版))
男一匹ガキ大将

こちら葛飾区亀有公園前派出所

🖌️
秋本治

ギネス記録である40年にわたる長期連載、そしてサブカルチャー全般を積極的に題材として取り入れたことで現代日本の風俗、文化を凝縮したような史料的価値を持つ作品になった点を評価したい。

こちら葛飾区亀有公園前派出所 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
こちら葛飾区亀有公園前派出所

リングにかけろ

🖌️
車田正美

黎明期レジェンド枠3。売り上げもさることながら、見開きを用いたド派手な演出の数々や、「荒唐無稽な能力バトル」というジャンルを確立させた点を評価したい。(このジャンルのパイオニアはアストロ球団なのだが、後進への影響はこちらが上かなと思う)

リングにかけろ 1 (ジャンプコミックス)
リングにかけろ

キン肉マン

🖌️
ゆでたまご

リングにかけろが確立したバトルマンガ路線を、当時の少年たちが大好きだったプロレスに絡めることでさらなる高みへ導いた作品。初めてのジャンプ黄金期を作った作品で、キン消しをはじめ一般社会への影響力もすごい。いわゆる「友情・努力・勝利」はほとんどキン肉マンで作り上げられたといっても過言ではない。

キン肉マン 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
キン肉マン

キャプテン翼

🖌️
高橋陽一

勝利や友情といったそれまでのスポーツマンガの王道を抑えつつも、キャッチーな必殺技を取り入れ実際のスポーツ以上のエンタメ性を付与した。マンガ史全体としてはドカベンがこのジャンルのパイオニアだけど、ジャンプで言えばキャプ翼がそれ。海外で人気が爆発したほぼ初めてのジャンプ作品という点も重要。この作品がなければメッシはサッカーやってなかったかも。

キャプテン翼 1 (ジャンプコミックス)
キャプテン翼

北斗の拳

🖌️
武論尊(原作)、原哲夫(作画)

80年代のジャンプの象徴といえる作品。創刊以来、ジャンプの主たる系統であった劇画タッチやハードボイルドな男向けの作風の最高到達点。

北斗の拳 1巻 (ゼノンコミックス)
北斗の拳

きまぐれオレンジ☆ロード

🖌️
まつもと泉

ラブコメから選ぶならこれ。決して革新的な要素があったとは言えないが、当時のジャンプが唯一苦手としていた王道ラブコメで人気を得たことが重要。ポップ路線を持ち込み、ジャンプ紙面の多様性はより進むことになる。

きまぐれオレンジ★ロード  1巻
きまぐれオレンジ☆ロード

ドラゴンボール

🖌️
鳥山明

90年代中盤のジャンプ黄金期を牽引した作品であり、連載が終了してなおもジャンプ、日本のマンガ文化の頂点に君臨する作品。急激な路線変更、無理やり感ある後付け設定と引き延ばしなど、負のジャンプらしさをも象徴している。

DRAGON BALL モノクロ版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
ドラゴンボール

ジョジョの奇妙な冒険

🖌️
荒木飛呂彦

国民的作品として定着してきたのはここ数年って感じはするけど、現代の異能バトルマンガはほぼ全てジョジョ3部の影響下にあると思うので入れざるを得ない。

ジョジョの奇妙な冒険 1 (ジャンプコミックス)
ジョジョの奇妙な冒険

SLAM DUNK

🖌️
井上雄彦

バスケマンガ、いやスポーツマンガ史上の最高傑作。勝利と成長の喜び、敗北と挫折の苦さがこれ以上なく詰まったタイムレスな名作。もし序盤の不良マンガ路線を継続していたら日本のバスケットボールの歴史は(恐らく悪い方に)大きく変わっていただろう。

SLAM DUNK 1 (ジャンプコミックス)
SLAM DUNK

るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-

🖌️
和月伸宏

特筆して後世への影響や売り上げがずば抜けている印象はないけど、DB幽白スラダン終了後ワンピナルトブリーチが現れるまでの柱としてジャンプ暗黒期を支えた世代の代表として入れておきたい。

るろうに剣心―明治剣客浪漫譚― モノクロ版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-

セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん

🖌️
うすた京介

純粋なギャグ枠から一作入れたかった。ナンセンス、シュールさを主体としたギャグをジャンプ誌上で成功させた最初のマンガ。下品さやエロさを排除した純粋な面白さを追求した点が重要。その影響度は「マネもほどほどに...」という注意書きが当時の新人賞の要項に書かれるほどだったそう。

セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん

遊☆戯☆王

🖌️
高橋和希

正直マンガ作品としての完成度は大したことない。だが集英社における映像媒体以外のメディアミックスとして最大の成功例であり、TCGを日本に定着させた初めての作品であり、暗黒期の集英社(とコナミ)に莫大な富をもたらしたことが重要。お金は正義。

遊☆戯☆王 モノクロ版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
遊☆戯☆王

ONE PIECE

🖌️
尾田栄一郎

大河ドラマ的な作風であったり、連載中であったり、作画コストが高すぎたりで他作品へ与えた影響がまるで感じられない(マネしたくてもできない)点が評価を迷うポイント。それでもなんだかんだ国民的マンガ、ジャンプの看板の地位は譲ってない。幼少期から温めた構想を週刊連載で30年かけてやる人間って歴史上存在しないと思うので、そういう意味では既にマンガの枠を超えた注目度になりつつある。

ONE PIECE モノクロ版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
ONE PIECE

HUNTER×HUNTER

🖌️
冨樫義博

残酷で先の読めない展開、異常に複雑で難解な設定、それでいて少年マンガ的なシンプルな熱さを持ち合わせた稀有な作品。「続きが気になるマンガ」を描かせたら冨樫以上の人間はいない。ハンタの最終回を読むまでは死ねない。

HUNTER×HUNTER モノクロ版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
HUNTER×HUNTER

NARUTO

🖌️
岸本斉史

まあ、国外で最も人気のあるジャンプマンガなので(適当)。

NARUTO―ナルト― モノクロ版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
NARUTO

DEATH NOTE

🖌️
大場つぐみ(原作)、小畑健(作画)

サスペンスを主体としたマンガとしてこれ以上ない完成度。ジャンプ作品を大別するとバトルものスポーツもの恋愛ものギャグもののどれかになるが、それ以外のジャンルで最も成功を収めた作品。

DEATH NOTE モノクロ版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
DEATH NOTE

鬼滅の刃

🖌️
吾峠呼世晴

ワンピース以降不在だった、圧倒的な看板力を持つマンガ。趣味の多様化、出版不況といった逆風を跳ね返し、国民的な作品を生み出す力がマンガにまだあると示した功績がデカい。

鬼滅の刃 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
鬼滅の刃

チェンソーマン

🖌️
藤本タツキ

今のジャンプがジャンルレス化している最大の要因はジャンプ+の影響であり、その代表格ともいえる藤本タツキを入れないわけにはいかない。まだそこまで顕在化してないけど、今後10年でタツキフォロワーが無限に産まれそうな予感がするので入れておく。

チェンソーマン 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
チェンソーマン

週刊ビッグコミックスピリッツ史上最も重要なマンガ5選

めぞん一刻

🖌️
高橋留美子

高橋留美子の最高傑作にして恋愛マンガにおける最重要作品。初期のスピリッツはスピリッツという雑誌名よりも『めぞん一刻』で一般的に知られていたという。最初の頃の響子さん、可愛くも何ともなかったのにねえ。回を重ねていくうちにルックスはかわいくなって性格は反比例するように嫌らしくなるという。

めぞん一刻 1 (ビッグコミックス)
めぞん一刻

美味しんぼ

🖌️
原作:雁屋哲、作画:花咲アキラ

料理漫画における最重要作品。料理人を主人公からあえて外すことで「料理以外の食べ物に対する多面的なアプローチ」に成功した。山岡士郎と海原雄山という日本漫画イチ有名な親子で知られているが読んでみるとキャラクターより原作者の方がうるさいうるさい。しかも全く調べていないのがミエミエ。衝撃的だった現時点最終話は雁屋哲の限界が露呈してしまったんだろうなあと。

美味しんぼ(1) (ビッグコミックス)
美味しんぼ

YAWARA!

🖌️
浦沢直樹

柔道さらに格闘マンガといえば各スポーツマンガの中でも特に汗と男臭さが強いという伝統があったがそれを江口寿史と大友克洋とのハイブリッドな画風で遥か彼方まで吹っ飛ばした。いきなり巴投げのパンチラというね。社会的影響でいえばこの作品以上の作品はない。何せ谷亮子というモンスターがこの影響で出現してしまったのだ。あとこの後浦沢直樹はちゃんと物語をたたむことができなくなるのは余談として。

YAWARA! 完全版 デジタル Ver.(1) (ビッグコミックス)
YAWARA!

伝染るんです

🖌️
吉田戦車

そりゃ相原コージ『コージ苑』も偉大な作品であるし中川いさみ『クマのプー太郎』も名作ではある。とはいえ実際2コマ目に「ねたみ」というプラカードを持ったカワウソくんを見たときの衝撃が忘れられない。下ネタもダジャレも少なくて笑いと恐怖の紙一重をずっと行き来する新しさ。ファミ通の『はまり道』サンデーの『ちくちくウニウニ』ときはそこまで感じなかったしその後の『ぷりぷり県』もそこまでの凄さはなかったが『伝染るんです』はやばい。

伝染(うつ)るんです。(1)
伝染るんです

ぼくんち

🖌️
西原理恵子

今のサイバラを見ると悲しくなる。高須克弥の人となりが白日になった今、高須クリニックのCMの痛い姿とか気持ち悪いし娘さんの事とか鴨ちゃんのこととかいろいろ足蹴にして今を生きているのも胸糞悪い。そんなクソババなのに『ぼくんち』はやはり歴史に残る傑作なのだ。時々一太のことを考える。連載が終わって25年ぐらい経ってもだ。そして誰もいなくなっても二太は笑ってくれた。この話は多分その事だけを描いた作品だけだったかもしれん。だけどこの頃のマンガの中で1番涙を流した作品だった。

ぼくんち (1) (スピリッツとりあたまコミックス)
ぼくんち

月刊アフタヌーン史上、最重要な漫画10選

ああっ女神さまっ

🖌️
藤島康介

アフタヌーン初期の重要作品は、明らかにこれ。Wikipediaにも「看板作家であった藤島康介以外はほとんど無名の新人作家の作品を掲載」と書かれているように、初期のアフタヌーンはこの作品で支えていたという状況だったと理解している。※ブコメで「初期の核はモーニング系作家や、園田健一とかあさりよしとおとか方面の作家」とのコメントいただいた。あと、トニーたけざきも。

ああっ女神さまっ(1) (アフタヌーンコミックス)
ああっ女神さまっ

寄生獣

🖌️
岩明均

これは満場一致になると信じている。作品としてのクオリティはもちろん、知名度、評価の高さ含めて、総合的に日本漫画史上の傑作の一つでしょう。『ヒストリエ』も入れたいところだが。一人一作ということで。

新装版 寄生獣(1) (KCデラックス)
寄生獣

無限の住人

🖌️
沙村広明

オタクマーケットにおける、90年代後半のアフタヌーンのイメージは『ああっ女神さまっ』『無限の住人』の2つが強かったという記憶がある。次作、『波よ聞いてくれ』もむろん快作で、個人的には『波よ聞いてくれ』のほうが好きだがアフタヌーンという雑誌にとっての重要度という話だと、まあ、順当に『無限の住人』かな、と。

無限の住人(1) (アフタヌーンコミックス)
無限の住人

げんしけん

🖌️
木尾士目

『げんしけん』がベスト10に入るかどうかは評価基準次第というところがあると思う。ヒット作以外のところで、「アフタヌーン」雑誌ブランドのコアとは何かと考えると、サブカル系のマンガ表現の開拓者ですよね、ということだと思う(四季賞含めて)。そのブランドが熱心な雑誌購読者を育んできた雑誌であることは明らかで、その基準で考えると、本作は順当に重要な作品かと思っている。

新装版 げんしけん(1) (KCデラックス)
げんしけん

おおきく振りかぶって

🖌️
ひぐちアサ

ひぐちアサは、『おお振り』の前はもっと人間関係がたいへんそうな話を書いていて、ある意味そのときのほうが「いかにもアフタヌーンらしいマンガ」だったが、路線転換をしたのかなと思われた、本作がその後ここまで大きくヒットするのは連載がはじまったときはちょっと想像していなかった。

おおきく振りかぶって(1) (アフタヌーンコミックス)
おおきく振りかぶって

ヴィンランド・サガ

🖌️
幸村誠

少年マガジンで連載がはじまったが、ほとんどの連載はアフタヌーン。幸村先生は『プラネテス』(モーニング連載)も代表作とする人もいるとは思うが、順当に考えたら、もう20年近く連載している『ヴィンランド・サガ』だろうかと思う。まあ、この作品がベスト10に入るも、まあ順当か。

ヴィンランド・サガ(1) (アフタヌーンコミックス)
ヴィンランド・サガ

百舌谷さん逆上する

🖌️
篠房六郎

この作品がベスト10かというのも、やや判断が割れるとは思うが、基本的には木尾士目『げんしけん』とほぼ同じ観点から。篠房六郎作品であれば、個人的には他の作品も全部入って良いと思っているが、一つ選ぶなら、ヒット作の『百舌谷さん』になるだろうという判断。

百舌谷さん逆上する(1) (アフタヌーンコミックス)
百舌谷さん逆上する

茄子

🖌️
黒田硫黄

黒田硫黄の存在自体が、若い漫画読みから忘れられつつある印象があるが、2000年前後にアフタヌーンを毎月買っていた人間にとって、黒田硫黄の存在感が圧倒的だったのは確かなことだったと思う。捻くれたサブカルだったら「黒田硫黄が好き」とか言うのは、ぜんぜん捻くれてないチョイス過ぎて、言うと恥ずかしいぐらいの存在感だった。宮崎駿御大まで「このおもしろさが判る奴は本物だ」とか、はずかしい推薦の言葉を帯に捧げ、ジブリ系のアニメーターである高坂希太郎監督によって作品の一部がアニメ化もされた(制作はマッドハウス)。

茄子(1) (アフタヌーンコミックス)
茄子

宝石の国

🖌️
市川春子

個人的に市川春子はそんなにハマっていないのだけれども、客観的に見て、支持の厚さ、連載期間、メディア化、受賞状況などから鑑みて、この作品を入れないわけにはいかないだろうということで。

宝石の国(1) (アフタヌーンコミックス)
宝石の国

ブルーピリオド

🖌️
山口つばさ

近年の作品から一つ選ぶなら、まずこれですかね、という感がある。作品自体も登場時に衝撃を受けたが、その後のヒットまでうまく繋がり、人気作に育って本当に良かった。

ブルーピリオド(1) (アフタヌーンコミックス)
ブルーピリオド

月刊コロコロコミック史上、最も重要な漫画10選

ゲームセンターあらし

🖌️
すがやみつる

コロコロコミック史だけでなく、マンガ史に燦然と輝く画期的な「ビデオゲーム」漫画の始祖。単に「ビデオゲーム」を題材とした作品というだけでなく、その後コロコロコミックは「ラジコン(RCカー)」や「ファミコン」「ミニ四駆」といった子供向けホビーを題材としたヒット作品を多数生み出すが、その礎を作った記念碑的作品である。企画はコロコロ編集部発案によるものだが、この題材をすがやに描かせた慧眼も光る。

ゲームセンターあらし(1) (てんとう虫コミックス)
ゲームセンターあらし

ドラえもん

🖌️
藤子・F・不二雄

コロコロコミック自体が『ドラえもん』の総集編本として創刊された歴史があり、以降現在に至るまでコロコロコミックにとって『ドラえもん』はいつの時代も特別な存在である。

ドラえもん

つるピカハゲ丸

🖌️
のむらしんぼ

「つるセコ」などの名台詞を生み出し、アニメ化もされたのむらしんぼ最大のヒット作。元よりギャグ作品の多かったコロコロの中でも当時際立ったヒット作となったが、この作品の画期的なポイントとして「4コマ漫画」という点も見逃せない。当時でも4コマ漫画は“古典的”な形式と見られており、当時では新聞はじめ大人向けマンガ以外で見かけることは意外と少なかったが、児童誌にこのフォーマットを定着させた功績は大きい。

つるピカハゲ丸(1) (てんとう虫コミックス)
つるピカハゲ丸

おぼっちゃまくん

🖌️
小林よしのり

後に『ゴーマニズム宣言』などの大人向け作品で名を馳せる小林よしのりだが、言うまでもなく元はギャグ漫画家である。常識外れに大金持ちのおぼっちゃまが主人公で、ち○こやウ○コなど下ネタも多く小学生男子のハートをガッシリと掴む。「ともだちんこ」「こんにチワワ」などの茶魔語も子どもたちの間でブームとなり、平成初頭のコロコロコミックを牽引する大ヒット作品となった。

おぼっちゃまくん 1 (幻冬舎文庫 こ 2-16)
おぼっちゃまくん

ダッシュ!四駆郎

🖌️
徳田ザウルス

ホビー漫画に力を入れるコロコロは田宮模型(タミヤ)とのつながりは深く、同社とのタイアップによるメディアミックス戦略は『ラジコンボーイ』(大林かおる/1983~1989年)を嚆矢とするが、その戦略が大きく花開いたと言えるのがこの作品。田宮模型の「ミニ四駆」も、そしてこの作品もお互いの相乗効果で大ヒットを果たした。当時のミニ四駆ブームを牽引。

ダッシュ!四駆郎(よんくろう)(1) (てんとう虫コミックス)
ダッシュ!四駆郎

炎の闘球児 ドッジ弾平

🖌️
こしたてつひろ

熱血主人公の多いコロコロコミックだが、シンプルにスポーツを題材とする漫画は意外と少ない。その中で、スポーツ漫画といえば「野球」「サッカー」が多くを占めていた時代に、小学生には非常に馴染み深い「ドッジボール」をテーマにした新規性は、意表を突かれながらも「なるほど!」と唸らせられる。アニメ化のほか、ファミコン・スーファミ・ゲームボーイ・PCエンジン・メガドラ・ゲームギアと、当時発売されていたありとあらゆるゲーム機でゲーム化もされている(すげえ)。

☆炎の闘球児☆ ドッジ弾平(1) (てんとう虫コミックス)
炎の闘球児 ドッジ弾平

スーパーマリオくん

🖌️
沢田ユキオ

コロコロコミックにゲームのコミカライズ作品は非常に多い。ヒット作も数多いが、その中でコロコロを代表する作品をどれか一作を選べと言われたら、これしか無いだろう。任天堂の人気キャラ・スーパーマリオを題材とした沢田ユキオの超ロングランギャグ作品。連載開始は1990年で、なんと現在も連載中である。昭和末期~平成以降に生まれた子どもなら、きっと誰もが一度は読んだことや目にしたことがあるであろう。

スーパーマリオくん (1) (てんとう虫コミックス)
スーパーマリオくん

コロッケ!

🖌️
樫本学ヴ

コロコロの歴史を語るうえで、80年代から活載期間2001年~2006年コロコロの歴史を語るうえで、80年代から活躍し『江戸っ子ボーイ がってん太助』『学級王ヤマザキ』などアニメ化されたヒット作も数多い樫本学ヴ作品を外すわけにはいくまいが、その中から『コロッケ!』をセレクト。一話完結ギャグやタイアップ作品の多いコロコロコミックとしては珍しい、連続冒険ストーリー漫画である。2年にわたるアニメ化、そして樫本学ヴはこの作品で小学館漫画賞児童部門を受賞した。

コロッケ!(1) (てんとう虫コミックス)
コロッケ!

絶体絶命でんぢゃらすじーさん

🖌️
曽山一寿

21世紀のコロコロコミックの『顔』である。じーさんと孫が織りなす子供向け不条理ギャグの大ヒット作品。表題作は2010年で連載終了しているが、続けざまに『でんぢゃらすじーさん邪』『なんと!でんぢゃらすじーさん』と20年以上に渡り、コロコロの看板作品として現在も続編が描き続けられている。

絶体絶命 でんぢゃらすじーさん (1) (てんとう虫コミックス)
絶体絶命でんぢゃらすじーさん

ケシカスくん

🖌️
村瀬範行

強烈で個性的な文房具のキャラクターが繰り広げるギャグ作品。2004年連載開始、現在も続く超絶ロングラン作品である。でんぢゃらすじーさんと並び、長らくコロコロの2大ギャグマンガとして君臨。一話が短めでサクッと読める。SNSを見ると、コロコロコミックは卒業しても、このマンガだけは読み続けているという声もちらほら見られる。

ケシカスくん (1) (てんとう虫コロコロコミックス)
ケシカスくん

怪盗ジョーカー

🖌️
たかはしひでやす

どんなものでも盗み出す怪盗ジョーカーを主人公としたたかはしひでやすのヒット作。魅力的なキャラクターたち、一部では強引とも評される(?)トリックも含め子どもたちの大きな支持を得た。別冊コロコロに連載開始され、その後月刊コロコロに移籍。根強い人気でアニメもシーズン4まで続く。別コロ時代を含めると10年以上という長期連載で、連載開始時に小学校高学年だった子どもは連載終了時にはもう大人だが、最終話は見届けられたのだろうかと気になる。

怪盗ジョーカー(1) (てんとう虫コミックス)
怪盗ジョーカー

漫画アクション史上、最も重要な漫画10選

ルパン三世

🖌️
モンキー・パンチ

真っ赤な薔薇はあいつの唇。アニメしか知らない人がかなり多いと思う。原作のダーク&ハード&ドライさとは全然違うんだよな。漫画の最新作は秋田書店の週刊少年チャンピオンで連載中。

ルパン三世 : 1 (アクションコミックス)
ルパン三世

嗚呼!!花の応援団

🖌️
どおくまん

猥雑で、無茶苦茶で、暴力と理不尽だらけで、すさまじいエネルギーに満ちた作品。ちょんわちょんわ。これ描いたが故に集英社から切られたとの話。実写映画化された。

嗚呼!!花の応援団 1 (アクションコミックス)
嗚呼!!花の応援団

がんばれ!!タブチくん!!

🖌️
いしいひさいち

実在野球選手をモデルに描き、大ヒットしてアニメ映画も作られた。実在人物ギャグ、という流れの源流といってもいい。

まんが・がんばれ!! タブチくん!! (1) (書き下ろしジュニア版)
がんばれ!!タブチくん!!

子連れ狼

🖌️
原作:小池一夫、漫画:小島剛夕

しとしとぴっちゃんしとぴっちゃん。さいとうプロから独立した小池一夫の原作者としての地位を確立した作品。実写映画・ドラマ化もされた。ハリウッド版?何のことやら。

子連れ狼 1 (マンガの金字塔)
子連れ狼

じゃりン子チエ

🖌️
はるき悦巳

トラのふんどしヒグマのパッチ。昭和後期の大阪を舞台に描かれた人情活劇。現在でも売れ続けてる。アニメ化もされ、関西では再放送されまくった。

じゃりン子チエ【新訂版】 : 1 (アクションコミックス)
じゃりン子チエ

かりあげクン

🖌️
植田まさし

カラオケしようよ、こぶしをきかせて(ポリ)。植田まさしの長期連載作のうち一つ。4コマ漫画で50巻以上出てる(現在68巻)数少ない作品。連載中。アニメ化・実写ドラマ化された。

かりあげクン : 1 (アクションコミックス)
かりあげクン

BARレモン・ハート

🖌️
古谷三敏

マスターを中心とした狂言回しキャラたちを中心に、一話ごとに異なる酒を紹介しながら蘊蓄を披露しつつ、人情噺を展開する作品。実写ドラマ化された。

BARレモン・ハート : 1 (アクションコミックス)
BARレモン・ハート

クレヨンしんちゃん

🖌️
臼井儀人

パニック×3 みんなが慌ててる オラはすごいぞ 天才的だぞ。アニメしか知らない人がこれも多いと思う。今や国民的人気長期アニメとなった作品。原作は結構ひどいネタも(初期は)多かった。作者の死後もプロダクションによって漫画が制作され続けている。

クレヨンしんちゃん : 1 (アクションコミックス)
クレヨンしんちゃん

坊ちゃんの時代

🖌️
原作:関川夏央、漫画:谷口ジロー

文学者たちとその周辺を描いた作品。谷口ジローによる当時の描写は、精緻にして抜群。実際のエピソードと虚実入り混じってはいるのだろうが、これが正解って事でいいでしょ。

坊っちゃんの時代 : 1 (アクションコミックス)
坊ちゃんの時代

この世界の片隅に

🖌️
こうの史代

戦争とその時代に巻き込まれた人々をどう描くかというのはあるが、これはその中でも稀有な作品だろう。アニメ映画化された。

この世界の片隅に (上) (アクションコミックス)
この世界の片隅に

週刊少年サンデー史上、最も重要なマンガ10選

おそ松くん

🖌️
赤塚不二夫

現代のギャグ漫画はここから始まったといっても過言ではない。60年代前半、サンデーは日本一の雑誌だった。その時の三本柱が『伊賀の影丸』『おそ松くん』『オバケのQ太郎』。牧歌的なユーモアから狂騒的なギャグへ。赤塚不二夫は世界を変えた。なお'67年で一旦終った後もまた続くのだが説明がややこしいので省略。

おそ松くん 1 (竹書房文庫 O 1)
おそ松くん

オバケのQ太郎

🖌️
藤子不二雄、石森章太郎

今読むとQちゃんのおおらかさとのどかさに癒される。FとAそして石森章太郎の合作。サンデー以外にも学年誌に連載された。この連載形式は『ドラえもん』につながる。藤子不二雄、特に藤子・F・不二雄は週刊少年サンデーの創成期の功労者であり学年誌の守護神でありコロコロコミックの創造主である。小学館にとってこれより重要な漫画家は他にいない。

新オバケのQ太郎 (1) (てんとう虫コミックス)
オバケのQ太郎

漂流教室

🖌️
楳図かずお

サンデーの楳図かずおは『おろち』も『まことちゃん』も名作だがこのノンストップサスペンスを選んだ。読んでいると続きが気になって気になって仕方がない。特に主人公の母親の狂気と紙一重の行動力には圧倒された。最近フランスでも翻訳され評判になっているようだ。

漂流教室 1 (少年サンデーコミックス)
漂流教室

男組

🖌️
雁屋哲、池上遼一

70年代の暗いサンデーの代表格。マンガの中の学園が魔境になったのはこのあたりからだろうか?雁屋哲の何考えてんだかわからないデタラメな展開と池上遼一の美しい絵がぶつかって異様な迫力を見せる。

男組(1) (少年サンデーコミックス)
男組

うる星やつら

🖌️
高橋留美子

説明不要。説明不要だということが偉大さのなによりの証だ。アニメOPは「Dancing Star」推し。

うる星やつら〔新装版〕(1) (少年サンデーコミックス)
うる星やつら

タッチ

🖌️
あだち充

野球マンガの達成として評価するなら『H2』だろう。今の目で見ると最高傑作は『クロスゲーム』かもしれない。しかしあだち充の一作を選ぶとなるとやはり本作だ。ありま猛『あだち勉物語』を読むと、達也と和也はあだち兄弟を投影しているのかもしれないと思えてくる。「達也はそんな男じゃない」

タッチ 完全復刻版(1) (少年サンデーコミックス)
タッチ

うしおととら

🖌️
藤田和日郎

少年漫画とはなにか。それは『うしおととら』のことである。

うしおととら(1) (少年サンデーコミックス)
うしおととら

名探偵コナン

🖌️
青山剛昌

国民的、いや世界的メガヒット作。本作が凄いのは、志の低い二番煎じが本家を追い抜いてしまったことだ。マガジンの『金田一少年の事件簿』を他誌も後追いするが死屍累々、本作とマイナー誌の『Q.E.D.-証明終了-』が生き残った。モブから大出世した高木刑事と佐藤刑事、パロディキャラが大化けした安室透と赤井秀一、今年になってやっと恋人同士になった平次と和葉などキャラクターの成長が人気の秘訣。そういえば『Q.E.D.』の燈馬君と水原さんも今年になって……。

名探偵コナン(1) (少年サンデーコミックス)
名探偵コナン

MAJOR

🖌️
満田拓也

お世辞にも完成度の高い作品とは言えない。いきあたりばったりでツッコミどころが多い。だがコナンと本作が無かったらサンデーはとっくに休刊していたかもしれない。長い暗黒期を支えてくれた大恩人。続編『MAJOR2』は2015年から連載中。

MAJOR(1) MAJOR (少年サンデーコミックス)
MAJOR

葬送のフリーレン

🖌️
山田鐘人、アベツカサ

生まれたと同時に古典になる作品というものがある。第一話を読んだ時の感動を忘れられない。あれだけでも充分名作だった。しかし本作は更に高みへと昇ってゆく。今日本で一番面白いマンガ。サンデーの長い夜は明けたのだと信じよう。

葬送のフリーレン(1) (少年サンデーコミックス)
葬送のフリーレン

週刊少年チャンピオン、マンガ10選(試案)

がきデカ

🖌️
山上たつひこ

死刑!のネタで一世を風靡した。

がきデカ (1) (少年チャンピオン・コミックス)
がきデカ

ブラックジャック

🖌️
手塚治虫

伝説的医療マンガ。週刊少年チャンピオンが瞬間的に週刊少年誌の部数トップになった時代を牽引。漫画家、手塚治虫を再生させる。

ブラック・ジャック 1
ブラックジャック

恐怖新聞

🖌️
つのだじろう

有名なホラーマンガ。新聞を媒体にした読者の日常と作品世界の接続が良いと思う。

恐怖新聞 (1) (少年チャンピオン・コミックス)
恐怖新聞

ドカベン

🖌️
水島新司

野球の細かいルールに詳しく、実際の甲子園のプレーにも影響を与えた。

ドカベン (1) (少年チャンピオン・コミックス)
ドカベン

本気!

🖌️
立原あゆみ

ほんきと書いてマジと読むのはこの作品の影響?

本気! 1 (少年チャンピオン・コミックス)
本気!

グラップラー刃牙

🖌️
板垣恵介

総合格闘マンガに絶大な影響を与えた。ネットミーム化も。

グラップラー刃牙 1 (少年チャンピオン・コミックス)
グラップラー刃牙

浦安鉄筋家族

🖌️
浜岡賢次

ロジカルなギャグマンガ。ネタ出しの過酷さで潰れやすいと言われるギャグ漫画において非常に長命。

浦安鉄筋家族(1) (少年チャンピオン・コミックス)
浦安鉄筋家族

覚悟のススメ

🖌️
山口貴由

強烈なグロテスク描写のあった作品。TSなどは先進的?

覚悟のススメ (1) (チャンピオンREDコミックス)
覚悟のススメ

鉄鍋のジャン!

🖌️
西条真二

主人公側がなんでもありの料理マンガ。

鉄鍋のジャン 01 (エムエフコミックス フラッパーシリーズ)
鉄鍋のジャン!

弱虫ペダル

🖌️
渡辺航

女性ファンをチャンピオンに呼び込み、ハリガネサービスや魔入りました!入間くんが人気になる土壌を作った。

弱虫ペダル 1 (少年チャンピオン・コミックス)
弱虫ペダル

モーニング史上最も重要なマンガ10選

島耕作シリーズ

🖌️
弘兼憲史

ツッコミを入れ続けられる作品だが、サラリーマン漫画の代表作であり絶対的な知名度を誇るのだから入れざるを得ない。それになんだかんだ言いつつ、いまだについ読んでしまう変な魅力があることは否定できない。長期連載で日本の大企業のビジネスについて描かれているので、通して読むと日本におけるビジネスの移り変わりがよく分かるという点でも貴重な作品といえる。いま読むとバブル期の話とか非常に趣深い。

ヤング 島耕作(1) (イブニングコミックス)
島耕作シリーズ

ハートカクテル

🖌️
わたせせいぞう

シャレオツでカラフルなイラストで紡がれるスマートな大人の恋愛ストーリーは、80年代の日本のバブリーでトレンディーな空気をみごとにパッケージしていた。80年代という時代を象徴するイラスト、というとわたせせいぞうのイラストを挙げる人も多いだろう。ということで時代にとって重要な作品として挙げておく。

ハートカクテル 1 (モーニングオールカラーコミックブック 1)
ハートカクテル

クッキングパパ

🖌️
うえやまとち

実は私は熱心に読んでないんだが、長期連載としてモーニングを長く支えているし、料理系では高級なグルメを紹介する漫画多いなか、家庭的な料理のレシピを紹介していく、という立ち位置が結構珍しいのではという気はする。よくネタ切れしないな、と感心するし紹介されているレシピは実際ウマいという話なのですごい。旦那が家庭で料理するってコンセプトも連載開始した1985年当時は珍しかったんではと思う。同じころ(86年)に家事が得意な男子が主人公の「ツヨシしっかりしなさい」も連載されてるが、当時そういったブームがあったのか、それともクッキングパパがそのブームを火をつけたのか、どうなんだろう(知ってる人いたらコメントください)

クッキングパパ(1) (モーニングコミックス)
クッキングパパ

沈黙の艦隊

🖌️
かわぐちかいじ

まあ、90年代前半ごろのモーニングは代表作は島耕作とこれ、という感じだった。日本の最新鋭の原子力潜水艦が独立国を名乗るという突拍子もない話だが、緊張感のある戦闘シーン、やまとは核兵器を持っているかも、という疑念から繰り広げられる政治劇など、非常に見応えがある作品だった。90年代には架空戦記物ブームのさきがけ、と評価されるのもうなずける。「沈黙の〇〇」とか「〇〇の艦隊」といったタイトルも当時流行ったのはこの作品の影響が濃かったと思われる。

沈黙の艦隊(1) (モーニングコミックス)
沈黙の艦隊

OL進化論

🖌️
不明

島耕作シリーズがバリバリビジネスする系の社会人漫画の代表なら、OL進化論はゆるゆるとした社会人ライフを描いた漫画の代表作といえるだろう。日常系という言葉がまだない時代のOL日常系4コマ。ゆるい空気感でありながら、よくネットで貼られる「がんばった報い」(人手不足なのにがんばって残業してたら人員補充してくれないよという話)のように、するどい視点が端々に見られてときどきドキッとさせられる。

OL進化論(1) (ワイドKCモーニング)
OL進化論

ナニワ金融道

🖌️
青木雄二

読んだ人に借金の怖さを知らしめる金融系漫画の名作。個人的には学校の教頭先生かなんかが先物取引や追証で追い詰められてく話が怖くて一生を出さんとこ・・・となったのをよく覚えている。闇金ウシジマくんやカイジなど、金にシビアな社会を描いた漫画のさきがけだといえよう。漫画としては正直ヘタな絵だけど、話が面白ければそんなの気にならない、ということを教えてくれた作品でもある。

ナニワ金融道1 (SMART COMICS)
ナニワ金融道

蒼天航路

🖌️
王欣太、李學仁

それまで吉川英治などの影響が強かった三国志のキャラのイメージを一新した三国志ものの名作。すくなくとも曹操のイメージはこの作品を契機に、悪役という側面より英雄という側面が強調されることが多くなったのではないだろうか。後半ちょっと間延びした感があったのが惜しいが、初期の勢いと爽快感はとても良かった。

蒼天航路(1) (モーニングコミックス)
蒼天航路

プラネテス

🖌️
幸村誠

宇宙もの、という観点で、宇宙兄弟とプラネテスどちらか迷った。どちらも名作で捨てがたいが、まあ幸村誠好きなのでこちらを。スペースデブリの問題を世に知らしめた、という点でも社会的影響はあったと思う。単行本4巻と短いのも読みやすくてよい。その割に一話一話のエピソードの密度が濃くて、割に主人公のハチマキの成長がしっかりと描かれているし、「愛」というテーマでよくまとまっている。短く締まった作品のお手本だなと思う。

プラネテス(1) (モーニングコミックス)
プラネテス

へうげもの

🖌️
山田芳裕

日本の歴史ものを一つ入れるなら、バガボンドとこれとどちらか・・・とこれまた迷ったところ。戦国時代を「美」を主眼として紡いだところが目新しかったし、山田芳裕独特のダイナミックな表現がその主人公である古田織部の独特の「へうげた」美意識とうまくマッチしていたように思う。まあ御託はともかく描写がとにかく面白い。個人的には本能寺で信長が死ぬシーンに衝撃を受けた(未読の人は是非とも読んでほしい)。

へうげもの(1) (モーニングコミックス)
へうげもの

GIANT KILLING

🖌️
ツジトモ、綱本将也

最近の連載作の代表として。個人的にサッカーは別に好きではないのだが、GIANT KILLINGは読んでしまう。実際の試合でも弱小チームが強豪に勝利を収めたときにジャイアントキリングって言うのを、この作品が出てからよく聞くようになった気がする。けど因果関係は知らない(自分が意識するようになっただけかもしれない)この作品、監督とか選手を描くのももちろん、サポーターのことも丁寧に描いてるのがいいなと思う。サッカーに興味の薄い自分にとって、サポーターの人たちがどういう人たちなのかよく分からなかったんだけど、なんとなくその心情が理解できるようになった。あと達海の選手の盛り上げ方いいよね。この作品ビジネスマンに人気あるらしい(by Wikipedia)けど、まあマネージャー層の琴線にふれるのは分かる気がする。

GIANT KILLING(1) (モーニングコミックス)
GIANT KILLING

ビッグコミックスペリオール史上最も重要なマンガ5選

味いちもんめシリーズ

🖌️
原作: あべ善太、作画: 倉田よしみ、協力: 福田幸江、花形怜、久部緑郎

この雑誌の創刊から連載されているレジェンド。中居正広がごきげんようでSMAP内での格差をボヤいてすぐに企画されたテレビドラマでも知られている、あともう少しで40年というロングセラー。初っ端で辻調服部に喧嘩を売ったり最近ではマナー講師を血祭りにしたりするが普段は素朴な和食職人物で『江戸前の旬』をはじめ青年誌に多数のフォロワーが。ストーリーテリングが下手なので先輩後輩が突然消えたりするがそれも意外と飲食店あるあるなので気にならないという奇跡。最近再遊記の久部さんが合流したのでもう少し話が落ち着きそう。

味いちもんめ(1) (ビッグコミックス)
味いちもんめシリーズ

あずみ・AZUMI

🖌️
小山ゆう

ヤングサンデーで武田鉄矢と組んで坂本龍馬を描き切り名実ともに小学館巨匠漫画家のひとりへ。『おーい龍馬』のときでもたまに見せる残虐シーンの迫力にただものではない雰囲気を出していたがスペリオールへ移籍した今作でリミッターが脱落。英雄とされた数々の武将たちやその配下の忍者、刺客その他が凄腕のスナイパーである無垢な美少女あずみの手によってどんどん殺される。味方もモブも平等に斬られて命を落とす。そしてちゃんと血みどろに表現する。そしてこのあずみという美少女、無垢という設定の元よく全裸になる。修行の滝行で全裸。お風呂で全裸。戦って切り刻まれて半裸。よく本番やらなかったな。作者の好みがそっちじゃなくて良かったな。(当時実写主演が決まってた上戸彩に過大な期待と心配があったという)実写化も落ち着き人気が下火になったなと思ったら話をまとまらないまま終了。突然題名が『AZUMI』舞台が幕末となる。というよりは舞台は前作『おーい龍馬』の世界に入りあずみはついに…(これは読んでくれ)小山ゆう恐るべし。今ビッグコミックで描いているけど大丈夫かな……。

AZUMI-あずみ-(1) (ビッグコミックス)
あずみ・AZUMI

ラーメン発見伝シリーズ

🖌️
原作: 久部緑郎、作画: 河合単

天才原田の「イエース!!」が話題になりついにこの作品がこの雑誌の看板まで登り詰めた。だって最初の頃このマンガで一番目立ってたキャラクターは藤本くんでも佐倉さんでもあの芹沢達也でもなく「ラーメン王石神秀幸」だったんだから。化けたよホント。オーソドックスな主役藤本くんの成長譚だった発見伝の次に「誰も共感できない天才」ゆとりちゃんを主役に据え上司芹沢の苦労を引き出しラスボス芹沢とは違った側面を引き出したのも憎い。『銀平飯科帳』(たまには新作書いてください)を挟んで再び出てきたときには芹沢達也というキャラクターが完成していた。その間に脇のキャラクター造形が一段と深みを増し(永友とか坪内とかよく考えついたな。モデルが誰だろう…)現在にいたる。麺一郎・汁二郎・具三郎のあとどういう風に物語を作っていくのか、ちょっと目が離せない。

ラーメン発見伝(1) (ビッグコミックス)
ラーメン発見伝シリーズ

サンクチュアリ

🖌️
原作: 史村翔、作画: 池上遼一

トリリオンゲームと迷ったが池上遼一の「ストレート」を分かっていないと「魔球」が分からないということでこの作品を。ヤクザと政治家という表裏のサクセスストーリーを同時進行に描き10巻という巻数でまとめ上げた手腕が見事。

サンクチュアリ(1) (ビッグコミックス)
サンクチュアリ

医龍-Team Medical Dragon-

🖌️
原案: 永井明、作画: 乃木坂太郎

マイケル・クライトン原案の『ER緊急救命室』がブームとなり医療もののドラマやマンガが作られたが程よいエンタメ性とキャラクター造形の上手さで最大の影響を与えた作品。2006年の実写化ドラマ化からフォロワー作が目白押しとなる『コードブルー』から『ドクターX』に至るまで医龍が無ければ存在し得なかったと言っても過言ではない。あと乃木坂太郎先生も『夏目アラタの結婚』でさらに化ける。

医龍(1) (ビッグコミックス)
医龍-Team Medical Dragon-

ヤングサンデー史上最も重要なマンガ5選

ザ・ワールド・イズ・マイン

🖌️
新井英樹

この作品を世に遺せたことだけでも、ヤングサンデーという雑誌が存在した価値がある。世界規模で暴力と正義を等価値に描いた、怪作にして超名作。マクロな視点のテーマ性や劇的なストーリー展開と、市井の人々のエゴをディテールたっぷりに描いたミクロな視点の描き込みの両立が天才的。

真説 ザ・ワールド・イズ・マイン 1巻(1) (ビームコミックス)
ザ・ワールド・イズ・マイン

殺し屋イチ

🖌️
山本英夫

のぞき屋の頃から片鱗が見えてはいたが、変態的なキャラクター造形と淡々とした描写が素晴らしい。そして前作からの画力の進化にも驚く。海外でも評価が高い。この作風はスピリッツ連載の次の怪作ホムンクルスへと繋がっていく。

殺し屋1(イチ)1
殺し屋イチ

Bバージン

🖌️
山田玲司

個人的には『アガペイズ』の方が圧倒的に好きだが(最高傑作だと思う)、知名度や重要作品としてはこっち。オタクがモテ男に変身していくHowToマンガの側面もありつつ、純愛を志向することでバブル期の軽薄な恋愛観へのアンチテーゼになっているメタ的な作品。

Bバージン(1) Bバージン (ヤングサンデーコミックス)
Bバージン

ムジナ

🖌️
相原コージ

共著の「サルまん」を除けば、これが相原コージの最高傑作だと思う。白土三平的な王道忍者マンガと、「勝手にシロクマ」「コージ苑」的な不条理ギャグと、「サルまん」的な実験的アプローチとを高度に融合して、両立どころか鼎立させた奇跡的な作品。

ムジナ(1) (ヤングサンデーコミックス)
ムジナ

ANGEL

🖌️
遊人

青年誌エロマンガにおいて未到達だった性表現の境地を切り拓いたので、漫画史的にも取り上げる必要がある。散漫なストーリーはともかく、今見ても女の子の絵が抜群に上手いし、性的描写のお下劣さが限界突破している。新宿の風俗店にイラストが無許可で使われ続けてて可哀想。

ANGEL 1
ANGEL

少女コミック史上最も重要なマンガ10選

トーマの心臓

🖌️
萩尾望都

ギムナジウムを舞台に、自殺した少年トーマを巡り犠牲と信仰について描く文学的な作品。やや難しい内容のため連載時は人気がなく打ち切りスレスレだったが、今では少女漫画界を代表する名作の一つとして語られている。

トーマの心臓1 萩尾望都Perfect Selection 1 (フラワーコミックススペシャル)
トーマの心臓

洗礼

🖌️
楳図かずお

時を経てから読んだ者にはピンとこないが、実は少女誌連載作品である。特に少女向け用に作風を変えた感じはないが、女子小学生が主人公(一応)なのは著者なりに少女を意識したのかもしれない。美への執着と母娘の確執は女性向け作品で繰り返し描かれるテーマだ。

洗礼 1 (秋田コミックスセレクト)
洗礼

風と木の詩

🖌️
竹宮惠子

人種差別、同性愛、父子相姦、児童への性暴力などのシリアスな描写が少女漫画界に大きな衝撃を与えた。当時は朝チュン程度でも過激扱いだったため、連載を編集に反対されたという。他作品をまず成功させ発言力を得てからようやく連載を許され、連載開始まで6年かかった。凄惨な展開の数々は少女たちにトラウマを与え、二次創作で幸せにする的な発想のフォロワー作品も生まれた。

風と木の詩 第1巻 (白泉社文庫)
風と木の詩

桃花タイフーン!!

🖌️
藤田和子

スポ根枠である同著者の『真コール!』の方と迷うところだが、実写化しているこちらで。5人のシスコンなイケメン兄貴に溺愛されつつも同級生男子とラブコメするイケメンパラダイスな作品で、この手の作品でありがちな「実は兄たちとは血縁がない」展開が発生しなかったところが評価できる。

桃花タイフーン!!(1) (フラワーコミックス)
桃花タイフーン!!

ふしぎ遊戯

🖌️
渡瀬悠宇

少女漫画界全体としては、外国が舞台で白人への憧憬→現代日本の学園もの、と定番が移り変わったが、本作は中華風の異世界がメイン舞台である。現代日本から転移した少女が神獣を召喚して国を救う巫女となり、召喚に必要な七人の戦士たちを集めるため国中を冒険するというファンタジーで、「少女には受けないのでは」と編集が渋ったりもしたが、ヒット作となった。少女の手足が棒のように華奢に描かれる作品が多い中で、むちむちとしてエロティックで、アニメは大きなお兄さんからも人気が出た。

ふしぎ遊戯(1) (フラワーコミックス)
ふしぎ遊戯

天は赤い河のほとり

🖌️
篠原千絵

古代ヒッタイト帝国(現トルコ)に生贄として召喚された現代日本の少女が、武人・政治家としての才覚を発揮し皇帝と共にオリエントの覇権を掴むに至る大河ロマン。史実エピソードを拾い上げながらニッチなロケーションを描き勉強にもなる作品だが、この時期には性コミ化が進んでおり、むやみなセックスシーンも多い。男が意味もなく全裸になるのは女性向け故か。現代でリア充だった主人公は、元の世界に帰ることを渇望し、だがヒッタイトにも大切な人ができてしまい、どうすべきか葛藤する。最近の異世界ものではこの手の葛藤は珍しいぐらいだ。

天は赤い河のほとり(1) (フラワーコミックス)
天は赤い河のほとり

快感♥フレーズ

🖌️
新條まゆ

物語の中に性的展開もある前述の作品群と違い、エロこそが主題の作品であり性コミの代表的存在。惜しげもなく少女の乳首が出てきて俺様イケメンとのエッチな展開が多発、また敵イケメンに愛のないガチの強姦をされる展開もあった。物議を醸す問題作だがヒット作でもあり、エロは著者は嫌々だったが編集主導とのことで、少コミは急激に性コミ化が進んでいく。現代人が読むとそこまでエロくもないが…。

快感フレーズ【完全版】1
快感♥フレーズ

「彼」first love

🖌️
宮坂香帆

性コミ化が進んでいく中で、「一見地味女子だが眼鏡を外すと美少女」という古典的設定ながらピュアラブを貫きヒット作となった。斬新な設定や凝ったストーリーなわけではないのだが、堅実・丁寧に描写を積み重ね、少女漫画らしい少女漫画である。

「彼」first love(1) (フラワーコミックス)
「彼」first love

蜜×蜜ドロップス

🖌️
水波風南

庶民JKが上級国民生徒の世話係になりセクハラも甘受させられる話で、エロシーンのために物語が捻り出されるようなエロエロ作品。相手役が合意なく下半身まさぐってきたりだいぶカスで、逆らうと退学なので主人公は逆らえない。上級国民による性的搾取を許すな!

蜜×蜜ドロップス(1) (フラワーコミックス)
蜜×蜜ドロップス

僕の初恋をキミに捧ぐ

🖌️
青木琴美

青木琴美は『僕は妹に恋をする』ではエロエロだったが、本作では一転して「難病を抱えながらも純愛」というピュアラブストーリーを描いた。邦画でよくありそうな題材なだけに映画化、ドラマ化を果たした。エロエロからピュアラブへの回帰を果たした本作が、少女コミックとSho-Comiをまたぐ連載となったのは象徴的だった。

僕の初恋をキミに捧ぐ(1) (フラワーコミックス)
僕の初恋をキミに捧ぐ

近代麻雀史上、最も重要なマンガ5選

麻雀飛翔伝 哭きの竜

🖌️
能條純一

当時(80年代)、麻雀のイメージは裏社会(反社)と表裏一体。それを舞台にしたものとして最も有名と思われるこれを選定。「あンた背中が煤けてるぜ」の名台詞を生み出しただけでも十分に価値のある漫画。何故「ン」がカタカナなのか、煤けているからなんなのかの意味はわからないがなにやら凄い説得力があり、当時の男子大学生がこぞって真似をしていた。

哭きの竜(1) (ビッグコミックス)
麻雀飛翔伝 哭きの竜

天 天和通りの快男児

🖌️
福本伸行

こちらも裏社会からで、福本伸行の出世作。途中から完全にサブキャラのアカギに主役が取って代わられ、スピンオフ作品の「アカギ」の方が長期連載・人気作になったのは御愛嬌。ただ、まがりなりにも完結させたのは他の福本作品よりも評価し得るのではないだろうか。この後、近代麻雀以外でも「銀と金」(アクションピザッツ)、「賭博黙示録カイジ」(ヤングマガジン)など立て続けにヒット作を出し、人気漫画家となっていった。

天-天和通りの快男児 1
天 天和通りの快男児

まあじゃんほうろうき

🖌️
西原理恵子

西原理恵子が悪いお友達に唆されて麻雀を覚えていくマンガ。西原理恵子はこの連載開始時は完全に無名な漫画家だった。絵もお世辞にも上手いものではなかったが、ギャンブルをする人には分かる悲喜交交は素晴らしく面白い。西原理恵子の出世作であり、西原理恵子を世に送り出したのは功罪両面で影響が大きい。お金をかけて麻雀をやったことがある人向け、ならば間違いなく西原理恵子の最高傑作とオススメできる(これ以降の西原理恵子が合わない人もこれだけは別、手に入るのであれば是非読んでほしい)。車が買えるほど負けたと笑っていたら家が買えるほど負けていた、という笑えなく笑える漫画。

まあじゃんほうろうき 1 (バンブー・コミックス)
まあじゃんほうろうき

ノーマーク爆牌党

🖌️
片山まさゆき

麻雀漫画の第一人者、片チンこと片山まさゆきからはこれ。出世作という意味では他誌だが「ぎゅわんぶらあ自己中心派」(ヤングマガジン)、近代麻雀での出世作は「スーパーヅガン」の両ギャグ漫画かもしれないが。本作も当初はギャグとしてはじまり、キャラが勝手に動いていってストーリー漫画になった印象が強い。本作に限らないが、裏社会との関わりがイメージされる麻雀を題材にしながら、ほぼそういったものを登場させずに描いているのも好印象で、今のプロ麻雀の隆盛に貢献していると思われる。更に、麻雀漫画の主役敵役は超能力じみた能力を持っていることが多いが、それを可能な限り排除しようとしているのも特徴的。リアルな闘牌も見どころ(馬場裕一プロが協力していたそうな)で、他作品と一線を画す。片チン自身はこのかなり後に描いた「打姫オバカミーコ」を代表作としているし、「牌賊! オカルティ」、「ミリオンシャンテンさだめだ!!」なども面白いが、新境地を切り開いたという意味でやはりこれで。個人的には麻雀と関係ないが「SWEET三国志」がかなり好き。

ノーマーク爆牌党 (1) (近代麻雀コミックス)
ノーマーク爆牌党

ムダヅモ無き改革

🖌️
大和田秀樹

どう見ても実在の政治家をモデル(主役が小泉ジュンイチローだし)にしながら、各種の政治的課題を麻雀で解決していく怪作。大和田秀樹といえば「大魔法峠」や「ガンダムさん」の方が有名かもしれないが、個人的にはムダヅモの方が面白い。今やったら大炎上間違いなし(安倍シンゾーの切腹など)な政治ネタ満載だが、当時はおおらかな時代だったのだろう。2017年から続編が発表されているが、登場人物の多くが過去の人になっているのも炎上対策なのだろうか。「この作品はフィクションです。実在の人物とは“あまり”関係ありません

ムダヅモ無き改革 1巻 (近代麻雀コミックス)
ムダヅモ無き改革

「花とゆめ」史上最も重要なマンガ10選

ガラスの仮面

🖌️
美内すずえ

「花とゆめ」史上最も重要なマンガ10選の一つとして、令和の今でも作品が生きていると感じさせる名作。連載中であり、月刊誌から月2回刊化の目玉として連載スタート。

ガラスの仮面 1
ガラスの仮面

スケバン刑事

🖌️
和田慎二

「花とゆめ」史上最も重要なマンガ10選の一つとして、令和の今でも作品が生きていると感じさせる名作。連載中であり、月刊誌から月2回刊化の目玉として連載スタート。

新装版 スケバン刑事 1 (プリンセス・コミックス)
スケバン刑事

パタリロ!

🖌️
魔夜峰央

主人公のマリネラ王国・国王パタリロに次いで2番手のキャラクターはMI6少佐・バンコラン。彼は主に美少年を愛好する同性愛者で、本作はギャグマンガだが「同性愛であることそのもの」を揶揄していない点に、作者の品格を見る。

パタリロ! 1 (白泉社文庫)
パタリロ!

甲子園の空に笑え!

🖌️
川原泉

どの作品を推すかが分かれるが、世間的には『笑う大天使』が有名で傑作集を出す際のアンケートでも番外編の『オペラ座の怪人』が2位だが、作者ご本人はまったくスポ根の人ではないのに、スポーツものに傑作があると一歩踏み込んでいる本作をリストアップ。

甲子園の空に笑え! (白泉社文庫)
甲子園の空に笑え!

ぼくの地球を守って

🖌️
日渡早紀

メディアミックスとしてはOVAのみであるが「前世ブーム」の火付け役として爆発的な人気を誇った。

ぼくの地球を守って 1 (花とゆめCOMICS)
ぼくの地球を守って

動物のお医者さん

🖌️
佐々木倫子

説明不要の名作。菊池規子『わが輩はノラ公』以来人語を話すペットが出てくる作品はたびたび登場したが、「人語は解するけどしゃべれない(しかし主張はする)動物たち」が出てきたところが新機軸。

動物のお医者さん 1 (花とゆめCOMICS)
動物のお医者さん

赤ちゃんと僕

🖌️
羅川真里茂

ヤングケアラーの立場に置かれた小学5年生が主人公で90年代父子家庭を活写した作品となった。熱量のあるドラマ巧者。

赤ちゃんと僕 1 (白泉社文庫)
赤ちゃんと僕

花ざかりの君たちへ

🖌️
中条比紗也

2006年に台湾でドラマ化、2007・2011に日本、2012に韓国でドラマ化。そして今年、初のアニメ化が発表されている。

愛蔵版 花ざかりの君たちへ 1 (花とゆめコミックス)
花ざかりの君たちへ

フルーツバスケット

🖌️
高屋奈月

2007年に「もっとも売れている少女マンガ」として、ギネスブックに認定されている。2001年のアニメ化・2019~21の再アニメ化・2022の劇場上映の実績は立派。

フルーツバスケット 1 (花とゆめコミックス)
フルーツバスケット

多聞くん、今どっち!?

🖌️
師走ゆき

連載中のラインナップで、今一番勢いがあると思われる作品。アニメ化も決定。

多聞くん今どっち!? 1 (花とゆめコミックス)
多聞くん、今どっち!?